Archive for 8月, 2008

23 august 2008




Basic Channel / BCD1,BCD2

ミニマルダブの傑作中の傑作として名高いBasic Channelのシングルを集めたベスト盤。
先頃発売されたvol.2に合わせて、vol.1のほうも再発。’93年から’95年の彼らの作品が収められている。
延々とループするミニマルなテクノなのだけど、トライバルなパーカッションやダブ効果、抑制された少ない音数の中で次第に増していく高揚感に圧倒される。
最近のミニマルダブが生ぬるく感じられるほどアグレッシヴでヘヴィ。しかも選ばれた音ひとつひとつが研ぎすまされ、細やかなスクラッチノイズ、そしてディープなエコーによるアンビエント感が全体を覆っている。
これら12″が後のテクノやエレクトロニカに与えた影響がどのくらい大きなものだったか。フォロワーはたくさん出て来ているけど、何を聴いても結局ここに戻ってきてしまうのだ。ごくシンプルな構成なのにこれ以上手の加えようがない完成度。
CDの裏にbuy vinyl と書いてある通り、本来はアナログで聴く音。でもこうしてCDにまとめて発売されたのはやはり嬉しい。
Basic Channelのメンバーは’80年前後にドイツのインダストリアル系バンドPalais Schaumburgに在籍している。当時大好きなバンドのひとつだったので、思えば長いスタンスで聴いているアーティストなんだなぁ。

richardhkirk.jpgのサムネール画像
Richard H Kirk / The Number Of Magic

懐かしいついでにもう1枚。
‘95年にwarpから発売されたRichard H Kirk。最近聴き直してやっぱりいいなと思ったアルバムだ。
Richard H Kirkは’80年代に注目されたインダストリアル系バンド、Cabaret Voltaireのメンバー。テクノ/トランスの陶酔感と冷たいファンクが融合したようなCabaret Voltaireのサウンドだったが、このソロアルバムでもジャズやラテンやダブ、それに彼らしいオリエンタルな要素を織り交ぜて、独自のエレクトロを展開している。
‘90年代らしい音だけど、さほど古くも感じないのは雑多なミクスチャー感覚のせいだろうか。
蛇足ながら、オリエンタルなメロディをサンプリングした’80年発売のCabaret Voltaireの12″『three mantras』はタイムレスな傑作(だと思う)。当時買ったアナログ盤は今も宝物の1枚だ。

14 august 2008




V.A./ Steppas’ Delight


名門Soul Jazz Recordsによるダブステップのコンピレーション。
昨年から『Box Of Dub』シリーズを2枚、他にもBengaやSkream、Digital Mystikzなどのシングルを出すなど、最近は特にダブステップのリリースに力を注いでいるようだ。
映画『7人の侍』の音楽をサンプリングしたKode9や目下注目のヴォーカリストWarrior QueenをフィーチャーしたThe Bug、デビュー・アルバムが好評のBenga、Shakeltonなどシーンの人気アーティストの他、ユニークなニューカマーがずらり。
ルーマニアのTRG、日本からGoth Trad、19歳のJoker・・新鋭アーティストたちの曲が面白かった。
今までのダンスミュージックのシーンに比べると平均年齢が若く、子供の頃に2ステップを聴いていたという20歳前後のミュージシャンが大半だ。
このコンピを聴くと『Box Of Dub』の頃よりもダブを基軸にさらにシーンが拡散し、より実験的でミクスチャー度も増しているような気がする。
ヒップなアートワークはいかにもこのレーベルっぽい。





2562 / aerial


Pinchが率いるブリストルのレーベル、Tectonicから1stアルバムがリリースされた2562。
ダブステップとミニマルダブが融合したようなテクノ寄りの洗練されたサウンド。
ベルリン・ダブの流れを汲む、細やかな音の粒子が飛び交うディープな音響は、ダブステップのみならずテクノやエレクトロニカのファンにも幅広くアピールしそうだ。
デンマークのレーベルStatler&Waldorfがリリースしているいくつかの作品がBasic Channelを正当に継承するものであるとするなら、このアルバムは更に一歩踏み出して、ダブステップのダイナミズムを得たような感じ。
大概ダブステップのミュージシャンたちは本名を使わないから変わった名前の人が多いけど、2562は住んでいるオランダのハーグという街のコード番号なのだとか。
ジャケを見るとタイトルかと思ってしまうこのネーミング、なかなか新鮮!?