Archive for 2月, 2008

28 february 2008






Disrupt / Foundation Bit


ダブステップの人気でダブ全体が注目を集めているようだけど、これはダブステップというよりダブワイズやデジタルルーツといわれるジャンルのもの。ルーツっぽさとエレクトロニックの両極端を備えているところは’80年代のUKレゲエ、とくにON-U作品を思わせる。
低音のきいた、まったりドープな古典的なダブなのに使われている音が妙にチープで可愛い。このチープな音は(ルーツファンはとくに)好き嫌いが分かれるかもしれないけど、キッチュな懐古趣味だけに終わっていないのはそれを逆手にとった巧みなプロダクションのせいだろう。
ルーツ寄りのダブを忠実になぞっているとはいえ、音域が広く、音のコントラストも激しく、従来の生音のものとはまったく違う魅力を備えたルーツ。これもまたUKダブの新しいかたちなんだと思う。
Rhythm&SoundのサポートアクトもやってるというドイツのJan Gleichmarというアーティストによるソロプロジェクト。
最近こういったルーツ系にも新しいものがいろいろ出て来てるのだけど、12″のみのリリースが多くてアルバムはあまり見当たらない。どうやらまだまだアンダーグラウンドなシーンのよう。





A.J.Holmes / The King Of The New Electric Hi-Life


昨年の終わりに買ったものの、南国ムードたっぷりなエキゾティカのせいか気分がのらず、あまり聴いていなかったCDを少し暖かくなってきたので取り出してみた。
ドイツ在住のイギリス人アーティストの作品で、Pingpungというレーベルからリリースされている。
アルバムタイトルのHi-Lifeはガーナのトラッドなフォークミュージックhilifeを指し、西アフリカをはじめハワイ、アジア、それにカントリーなどさまざまなトラッドをベースにした生音中心のエキゾ・ポップ・エレクトロニカが収録されている。
まるでアフリカのトラッドミュージックのように聴こえるけど、1曲トラッドが入っている以外はオリジナル。参加しているミュージシャンは日本の人もいたりして多国籍のようだから、各々のお国柄を少しずつ反映してるのかも。
楽器の音色が優しくて素朴だけれど、ときおり差し挟まれる繊細な音響処理がさりげなくピリっとしたスパイス効果をあげている。楽器の組み合わせもシンプルで感じがいい。
Alejandro Franov同様、洗練度の高いエキゾ・エレクトロニカ。




6 february 2008






Cobblestone Jazz / 23 Seconds


Mathew Jonson率いるカナダ出身のトリオCobblestone Jazzのデビュー・アルバムが2枚組のボリュームでK7から登場。CD-2には’07年のマドリッドでのライヴが収録されている。
ラップトップ、アナログシンセ、ドラムマシーンを駆使したミニマル・ハウスなのだけど、渋いジャズ・フレーズがびしばし決まりまくり、ほとんど3人の即興演奏なのか、ラフに作ってる感じが疾走感を生み出し、ものすごくかっこいい。そのせいかエレクトリックでありながら、のびやかで有機的な生命力を感じさせる。
かつてのIan O’BrienやCarl Craigを彷彿させる、次世代のジャズ。





Flying Lotus / Reset ep


昨年warpからリリースされたニューカマー、Flying Lotusの6曲入りマキシシングル。
LAのアーティストで、何年か前にアルバムが1枚発売されており、その後warpとの契約となったらしい。
黒々として粘着質な、しかしどこまでもクールなファンクネス。熱いファンクと冷たいエレクトロニカの融合は最近のwarpがプッシュするところ。同レーベルのJimmy Edgarに近いかもしれない。
唯一のヴォーカル曲、ゆったりと刻まれたダウンビートに淡々とした女性ヴォーカルが静かに絡む『tea leaf dance』は聴けば聴くほど引き込まれる、この12″いちばんのキラーチューン。その他のインストも地を這うような重いビートのヴァリエーションが面白い。
アルバムが楽しみだ。