Archive for 9月, 2006

26 september 2006



nnn’s collectionS/S’07









ミラノのエージェンシーBreramodeにて





Frederic Galliano / Espaces Baroques


nnnのS/S’07コレクションのテーマはアフリカン・ビートだったので、展示会用のBGMにはアフリカン・パーカッションやコーラスからインスパイアされた曲をセレクト。
いろんな時代やジャンルのCDを引っ張りだす中で、キーポイントになってくれたのはFrederic Galliano。’98年にフランスのf-communicationからリリースされたこのアルバムは、8年も前のものだとは思えないほど、いま聴いてもフレッシュでモダンな感じがする。それは彼のディープでスピリチュアルなジャズ・センスによるところが大きいかもしれないし、民族音楽に対する熱心な探究心や普遍的な音楽を作ろうとする真摯な姿勢によるものかもしれない。いずれにせよ時代を超えて愛せる作品であることはたしか。
生楽器の音をサンプルしてすべてFrederic Gallianoがプログラミングしているようだが、コンピューターで作られたにも関わらず、こんなにもライヴ感があり、オーガニックでジャズ・スピリットに溢れるダンス・ミュージックは珍しい。
ブックレットに『a theory for the world』と題されたポエムが載っているが、Gallianoが敬愛するフランスの哲学者Eric Ponsによって書かれたもので、写真と内容から判断するとどうやらこのアルバムに献辞されたようだ。個体と世界の生成について書かれたそのポエムのいちばん最後のフレーズ
『The body and soul of the heart,
extraterrestialy,
on earth,』
ワールドミュージックが開花したフランスという豊かな土壌から必然のように生まれたこのアルバムには本物のソウルが宿っている。




23 september 2006






Osunlade presents Yoruba Records / Cinco Anos Despue


Osunlade主宰のyorubaレーベルの音源を集めた、 まるごとjazz in the houseなコンピレーションがsoul jazz recordsから発売された。
軽やかでクロスオーヴァーなジャズ・テイストのハウスが集められている。レーベルの名前どおり、アフリカ音楽やアフロ・キューバンの匂いも濃厚。Osunladeが関わった、たぶん’90年代半ば〜終わり頃の曲ではないかと予想するのだけど、どの曲もダンスクラシックスと呼ぶにふさわしい、風格さえ漂っている。ほとんどが廃盤になっている12″なのだけど、こういう名トラックが復刻されるのは本当に喜ばしいかぎりだ。
soul jazz recordsがリリースしている復刻盤やコンピ〜スタジオワンの音源やレアグルーヴ、クロスオーヴァー、UKダブ〜は時間がかかってもぜんぶ集めたい!





Amp Fiddler / Afro Strut


最近’70年代のB級ブラック・ムーヴィーを立て続けに見たせいか、久しぶりにかっこいいレアグルーヴやブルージーなジャズソウルが聴きたいと思って、古いCDを引っ張りだしたりしていたら、ちょうどナイスなタイミングで発売されたのがAmp Fiddlerのセカンド。
さすがはP-Funkファミリーの一員だっただけあって(…って何歳だろう?)そんじょそこらのニュー・ソウルとはファンキーさが違う!でもコテコテというわけではなく、あくまでクールでお洒落なのは、かつてCarl Craig周辺のデトロイト・サウンドをいっぱい吸収したせいか。
気怠いヴォーカルと打ち込みを中心にしたサウンドが、懐かしいキッチュともとれるフレーズをクールダウンさせている。4曲目の『find my way』、レアグルーヴっぽくてスーパーファッションな感じだけど、これがシングルかな?
バラードより『find my way』『faith』『funky monday』『ridin’』あたりのグルーヴィーな曲が好き。
レコード店ではビヨンセと隣合わせの視聴機に・・・・誤解されそうだけど、まっいいか。それで売れるなら。




20 september 2006






Dani Siciliano / Slappers


ヴォーカリストのDani Sicilianoのセカンド・アルバム。K7から。
1枚目の『likes』に続き、パートナーのMatthew Herbertがプロデュース、といってもサウンドの初期段階はすべて彼女がひとりで作っているようだし、ハーバートの最新作とはまた違う方向のポップに向かった感じで、これは紛れもなくDani Sicilianoそのもののアルバムだと思う。
前作同様ジャズ、ブルース、ロック、カントリー、エレクトロニカなど幅広い要素を取り込んだ、実験精神旺盛なアヴァン・ポップ。暗くてナイーヴさが目立った『likes』よりもビートが強く、はじけた感じで、のびやかなDaniのヴォーカルもいい。
ジャジーなのにどこか奇妙な、というと同じUKのヴォーカリストRoisin Murphyを思い浮かべるが、一筋縄ではいかないユニークな音階は彼女の最大の武器だろう。





Alpha / Without Some Help


ついこの間『lost in a garden of clouds 2』が出たばっかりだけど、今度はリミックス集。もうすぐヴォーカル・アルバムも出るというから凄い創作意欲!
出ないときには何年も出ないのに今年はAlphaの当たり年?なのかとっても嬉しい。
通算7枚目のアルバムは、ColdplayやMassive Attack、Horace Andyなどのリミックス作品に加え、Alphaの未発表曲を収録したもの、つまり番外編。
リミックス集なので、いつもAlphaのアルバムに感じるトータルな世界観はないのだが、こうして他の人の曲と一緒に聴いてみると、Alphaのオリジナル曲はすべて言い当てられるほど、彼らのメロディー・メーカーとしての個性が際立って見えて面白かった。
リミックスより彼らの未発表曲のほうが断然いい。これって他の人のメロディとAlphaのアレンジが合わないってことなんだろうか。




6 september 2006






Louderbach / Enemy Love


ベルリン発、背筋がゾクゾクするような官能的なダンス・ミュージック。ジャケットのイメージ通り、ゴシック・インダストリアル・エレクトロとでも言えばいいだろうか。
地を這うような重いビートにそぎ落とされたミニマルな上モノ、低く囁くヴォイス、目眩がしそうなダブ効果・・・限りなく暗くてミステリアスなサウンドは’70年代終わりのインダストリアル・ミュージックを彷彿させる。アルバムはたったひとつのイメージに集約されていて、いろいろないところが潔い。かといって単調で退屈なアルバムでもない。聴けば聴くほど中毒性ありで、最近はまった1枚。できるだけいいサウンドシステムで聴きたい。





Spank Rock / yoyoyoyoyo


今年の春頃リリースされていたアルバムだけど、なぜか今頃になって食指が動いて買ってしまった。ヒップホップを基本に、パンクや’80年代っぽいエレクトロが混ざった雑食性の高いサウンド。最後の曲までかなりのハイテンションで、疲れる間もなくぐいぐい引っ張られる。
彼らの雑食性はジャンルにおいてだけではなく、音のほうもそう。腰にくる重低音にびっくりするようなペラペラでチープな音、新しい音から古くさい音まで自在にミクスチャーしている。
Timbaland風あり、Prodigy風あり、最後の曲はMassive Attack風だったりするのだけど、物まねレベルで終わらず、+αの魅力がしっかりあるところはさすが。『Rick Rubin』という曲は’80年代ヒップホップ界で名を馳せた名プロデューサー、リック・ルービンへのオマージュかな?ヒップホップ・ファン以外にも人気がでそう。