Archive for 2月, 2005

28 february 2005



‘05年秋冬コレクションが始まったのでミラノへ。
nnnの今回のコレクションのテーマは、アルメニアの映画監督パラジャーノフの作品『ざくろの色』。















ショールームBrelamodeに並ぶnnnのコレクション



ゴシック建築ドゥオモの壁面。







19 february 2005






スペイン在住のチリ人監督アレハンドロ・アメナバールの新作『Mar Adentro』を見に行った。昨年のベネチア映画祭で監督賞と主演男優賞を受賞した作品。28年間寝たきりの、ほぼ全身を麻痺した障害者が自殺の権利を求めて法廷に裁きを持ち込む話なのだが、はっきり言いたいことを言っていつも強気の主人公の姿が映画をけっして暗く悲観的にしない。しかし話は綺麗ごとではなく、周りの人間のいつ終わるとも知れない介護への苦悩やフラストレーションをさりげなく、残酷に露呈させる。
カトリックの神父が自殺を戒めるシーンがあるけど、主人公の信念に対して逆に宗教の脆弱さやむなしさだけが浮き彫りにされたような気がした。
介護問題や尊厳死について、宗教や社会の側面を通して描いた秀作だと思う。





Andrea Parker / Nobody’s perfect


ドイツのクリエイター、Andrea Parkerの久しぶりの新作はミックスCD。ミックスCDとはいえ彼女の新曲が5曲入っているところがうれしい。
全21曲、選曲されているのはAndrea Parkerらしい重低音のきいたヘヴィでダークなテクノばかり。全体の曲の印象はどれも似ているのだが、彼女の曲だけは独特の個性があるのですぐわかる。女性が作るとはとても思えないストロングで歯切れの良いビートが以前よりますます研磨された感じ。
これまでにスティーヴ・ライヒや坂本龍一をリミックスするなど現代音楽との接点も持っているアーティストなので、そういう方向での活躍も期待したい。





A Guy Called Gerald / To all things what they need


去年Rephlexから『prebuild』『newbuild』が立て続けに再発され、再評価が著しい808 Stateのもとメンバー。808 Stateはこの人が抜けた時点で終わったと言っていいと思う。その後の808 Stateは『Pacific202』『olympic』『cubik』とヒットを重ねるけど、A Guy Called Geraldが在籍していた頃のラディカルな実験性を完全に失って、普通のポップ・ミュージックになってしまった。
ソロになってからのA Guy Called Gerald(Gerald Simpson)は’80年代はアシッドハウス、’90年代はドラムンベースに移行、その後はデトロイトテクノに影響を受けたり、ブレイクビーツ、ハウス・・など様々なジャンルを取り込みながら自らのサウンドを追求してきた、UKのミュージシャンにとってはテクノ・ゴッドともいうべき存在だ。
で、久しぶりに聴く新作だが、年とって丸くなっちゃったかなぁ・・というのが正直な第一印象。去年再発された『prebuild』の頃のぎりぎりの緊張感はもちろんこのアルバムには望めない。しかし、彼が重ねてきた経験がすべて詰め込まれていて、集大成のような1枚として楽しめる。最初物足りないなぁと思ってたら、何度か聴いてるうちにだんだんよくなってきた。




6 february 2005






LCD Soundsystem


The RaptureやRadio4などのプロデュースワークで注目されるデュオ、DFAの片割れJames Murphyが初のソロ・アルバムをリリース。
The RaptureのアルバムのかっこよさはDFAの力によるところが大きいんだろうな・・と思っていたけど、このアルバムを聴くとそれがあながち間違いでないことがわかる。
パンク、ニューウエーブ、ディスコ、ハウス・・・様々なジャンルの要素が渾然一体となって非常にエネルギッシュなグルーヴ感を生んでいる。ロックの形態や精神性を受け継ぎながらも、根底にあるのはあくまでもダンスミュージックだ。
録音前に周到な準備がされたのだろうし、エフェクトも凝っているけど、一発録りのようなライブ感を失っていないのがこのアルバムの魅力。これだけ勢いのあるアルバムはそうないと思う。
CDは2枚組で1枚は新作アルバム、1枚は過去の12インチ、7インチを集めたボーナスCDとなっている。『yeah』のcrass versionは10分近いダンス・チューンで、後半になるにつれて壊れていく感じがなんともかっこいい。これは新しいフロア向けクラシックスに数えられそう。
中身とは関係ないけど、表ジャケットにCCCDのマークを印刷するのはやめてほしいなぁ。





Snooze / Americana


フランスのアーティストSnoozeの4年ぶり、3枚目にあたるアルバム。今までのようにベルギーのCrammedからではなく、フランスの小さなレーベルからリリースされている、ということは本人のレーベルかもしれない。。
Snoozeといえば綺麗なメロディーと流麗なストリングスの洗練されたジャジー・サウンドというイメージがあるけど、新作は一転してタイトルが示すようにアメリカの田舎町で撮影されたロードムービーを彷彿させる、素朴なイメージ。アコースティック・ギターをフィーチャーした、ナチュラルで気持ちのいい、オーガニックなソウルが並ぶ。
季節がよくなってくるとこういうサウンドが恋しくなる。