Archive for 9月, 2004

29 september 2004



nnnのコレクションの展示会のためにミラノへ。
今回はhosokiさんにも参加してもらったりしたので、Roomのみなさんにnnnのコレクションをお披露目。




ショールームのBrelamodeに並ぶnnnのコレクション。










バロック様式のじつに美しいブレラ美術館の中庭。




壮麗なガラスのアーケード。




ランチした『Il salumaio』の気持ちのいい中庭。料理の味も抜群。





ミラノのあちこちで見かけるEnzo Mariデザインのクルマ止め。かわいい。





ミラノのレーベルSchema。小さなレーベルだけど、ボローニャのIrmaとともにイタリアの音楽シーンをリードする。ラウンジ系サウンドはラジオやCDショップでも人気の様子。



24 september 2004


Swayzak / Loops from the bergerie


前作の『Dirty dancing』がよかったので、新しいアルバムはどういう展開になるのだろう・・と楽しみにしていたら、期待以上の仕上がり。ダブを導入したミニマルなテックハウスという前作の路線を踏襲しつつ、ヴォーカリストや生楽器をフィーチャーするなど、今までよりややぬくもりのあるアプローチに。ヴォーカル曲は’80年代ニューウエーブを思わせる。
リスニング、ダンスフロア両方に対応できるアルバムだが、『8080』なんていまクラブで聴いてみたい。
タイトルの『Loops from the bergerie』はゲンズブールの『Les loups dans la bergerie』をもじったものだろう。





Gotan Project DJ Set / Inspiracion Espiracion


デビューアルバム『La Revancha del Tango』がヨーロッパでスマッシュヒットしたGotan Projectの新作は、メンバーのひとりフィリップ・コーエン・ソラルがセレクト、ミックスしたタンゴ集。タンゴ集といっても、アルゼンチン・タンゴにヒップホップ、ダウンテンポ、ブラジル音楽などボーダレスなもので、巨匠アストル・ピアソラからピーター・クルーダーのPeace Orchestraまで、そしてアルゼンチン音楽のドミンゴ・クーラからアメリカのブルーグラスのキャレシコまで、幅の広い選曲がされていて面白い。
タンゴのセンシュアルな香りがいっぱいに広がるアルバム。




14 september 2004

デレク・ジャーマン没後10周年。
追悼で3枚。





O.S.T『Caravaggio 1610』by Simon Fisher Turner

デレク・ジャーマン最高傑作(と思う)『カラヴァッジオ』のサウンドトラックはelレーベルの看板アーティスト、サイモン・フィッシャー・ターナーが担当。この刺激的な音と映像の関係は、両者が触発しあい、きわめて美しい形で結晶化したものといえるだろう。’80年代のイギリス映画音楽を代表する作品ではないだろうか。





Derek Jarman&Donna Mckevitt / Translucence

最後の作品『ブルー』でのコラボレーションを通じて、デレク・ジャーマンの詩作に感銘を受けた音楽家ドンナ・マッケヴィットが彼の詩に曲をつけた作品で、彼の死後4年ほどたって発表された。カウンターテナーのマイケル・チャンスが参加している。
まるで鎮魂歌のように物悲しく、静謐な音世界。
このアルバムを聴くと『ブルー』の映像が頭に広がる。





O.S.T『Aria』

ヨーロッパの10人の監督たちが、それぞれ好きなオペラのアリアを選んで自由に映像化したオムニバス映画。公開当時に見たきりだが、ニコラス・ローグ、JLゴダール、ケン・ラッセル、ロバート・アルトマンなど個性豊かな顔ぶれで面白かった。中でもデレク・ジャーマンはシャルパンティエのオペラ『ルイーズ』をテーマにした夢幻的な美しい短編で、もっとも印象に残っている。


11 september 2004

myくんも書いてたJean Paul Gaurtierの『Pain Couture』と名付けられた展覧会を見てきた。
バゲットや田舎パン、クッキーで作られたドレスやビュスティエが展示されていて、いい匂いが会場中に充満してる。こんがり焼き色のついたケリーバッグが可愛かった。


Youth / Secret language of ordinary objects

昨年リリースしたYouthのベスト盤『Youth in Dub』の第二弾が発表された。
Youth自らの曲の他、The Orbと共作した曲など、これまでのリミックス・ワークが収められている。
彼は’80年代にオルタナ・ロックで名を馳せたKilling Jokeの元メンバー、ソロになってからはダブに大きな影響を受けたサウンドで、エイドリアン・シャーウッドとともにUKダブ・シーンを牽引してきた。
ダブといっても彼のダブはレゲエのコンテクストの中で語られるダブから一歩も二歩もはみ出たもので、あくまでデジタル・ビートの中で進化していく、アンビエントな様相をもったサウンド・コラージュだ。
しかしこのジャケと中の写真はもうちょっとなんとかならなかったのかな。昔のニューエイジのアルバムみたいで損してると思うんだけど・・・





Earl Zinger / Speaker stack commandments


Acid Jazzムーヴメント初期からシーンを盛り上げてきたGallianoの中心的人物で、現Two Banks Of Fourのロブ・ギャラガーのソロ・プロジェクト。
ジャズをベースにレゲエやラガ、ダブ、ファンクなどをミックスした、おもちゃ箱のように楽しいアルバムだ。
‘80年代終わり頃、ちょうどAcid jazzという言葉が使われ始めた時期にロンドンのクラブでロブ・ギャラガーのライブを見たことがある。まだGallianoを結成する前のことだ。ジャイルス・ピーターソンとセットだったが、ラップといってもUSのに比べるとずいぶんクールでジャズの影響を色濃く感じた。その後彼はGallianoを通して自分のスタイルを昇華させていき、今のTwo Banks Of Fourはロブ・ギャラガーの集大成といっていい。
Earl Zingerはそんな彼のパーソナルなアルバムで、肩の力が抜けたリラックス感とザッピングが楽しい。




4 september 2004

昨日の夜はhosokiさんに借りたDVD『KEN PARK』を見た。
ラリー・クラークの作品を見るのはこれで2度目。以前見た『KIDS』ほどいいとは思わなかったが、『KIDS』の続編という感じで面白い。思春期の少年少女たちが抱える欲望や抑圧や鬱積を描いてみせた-ーーそこまでは『KIDS』と同じだけどーー『KEN PARK』では彼らの親たちが登場する。子供を自分の分身のように考えている親とどんどん自分たちの世界を築いていく子供たち。その溝は親子が抱える普遍的な問題かもしれないけど、ここでは少々ショッキングな結末が用意されている。リアルと感じていいのかファンタジーなのかすごく微妙・・と思った。


ところで、今パリのレコード店はBjorkとProdigy大プッシュ。Prodigyってすっかり忘れてたけど、テクノ史上いちばん売れたアルバム作った人たちだもんね。



Bjork / Medulla


ポピュラリティーを確保しつつ、どんどん新しい試みにトライし、それに成功するのはすごく難しいことだと思うけど、この人の場合は作品ごとに新しい境地を開いて、新たなファンを獲得しているような気がする。
3年ぶりの新作『メダラ』は、ベース・ラインやビートまですべて人間の声で作られていて、ビョークの最大の武器である声を前面に押し出した、コンセプチュアルな作品。彼女の吐息から叫び声まで表現手段として使われている。ゲストに日本人のヒューマン・ビート・ボックス・パフォーマー、ドカカやマイク・パットン、ルーツのラゼール、それにロバート・ワイアット(!)のクレジットを見つけてうれしくなってしまった。
人間の声を楽器に見立てる試み自体はべつに新しいことではないけど、ビーバップやヒップホップではなく、プログレッシヴな方向に向かったのは珍しいと思う。
LFOのマーク・ベル、マトマスらの参加も強力。全体的にダークな色調の非常に美しいアルバムだ。





Mara Carlyle / Lovely


今気に入っているのが、Matthew Herbertが主宰するレーベル、AccidentalからリリースされたシンガーMara Carlyleのファースト・アルバム。これまでにHerbertやPlaidのアルバムに参加しているので、すでにその声を知る人もいるだろう。
ジャズ、ミュージック・ホール、ブルーグラス、クラシック、エレクトロニカなど様々なジャンルの要素が盛り込まれた、非常にユニークなサウンド。彼女が演奏するのはピアノ、ギターの他、ソーという鋸のような楽器や親指ピアノ。ウクレレのような楽器も使われている。
深みのある、のびやかなヴォーカルはとても魅力的で、耳に心地よく響く。
ノスタルジックなのに新しく、平和で牧歌的なのに狂気をはらんだ、あぶない1枚。Dani Sicilianoのソロもよかったけど、ハーバートの周辺からはますます目が離せない。